例会の会場は、特定の大学や機関に固定せず、会員の所属する東京都内の各大学において、順次持ち回りで担当する運営方式をとり、毎回2名の報告を中心とし た月例会を継続してきた。当初は大学院在籍者が大半を占めたが、発足以来17年を経た現在、会員の年齢は20歳代から40歳代に広がり、会員の数も70名 を越えている。中国や台湾への留学経験者も多く、長年にわたってフィールドワークや文献調査を精力的に続けている。
会員相互の基礎的な研鑽の場を持続することを目指したため、雑誌は刊行せず、例会記録と報告要旨からなる彙報(年刊)を発行してきた。
発足後10年目を迎えた1994年に、記念論文集として、論考15編と10年間の例会記録を収めた『道教文化への展望』(平河出版社)を刊行した。また 1995年5月に東京の東洋大学で開催された第1回の日米道教会議では、多数の会員が運営に当たり、その成果は、山田利明・田中文雄編『道教の歴史と文 化』(1998年・雄山閣出版)にまとめられた。
1998年にはアメリカのボストン大学において、第2回の日米道教会議が開かれ、多数の会員が参加したほか、ICANAS(アジア・北アフリカ研究者会議)をはじめとする国際研究会議などにも積極的に参加し、その活動の場は確実に広がってきてきている。
(2000・3 代表 増尾伸一郎 記)
その後、第2回の日米道教研究会議の成果は、Livia Kohn, Harold Roth 編Daoist Identity(University of Hawaii Press,2002)にまとめられた。
さらに、2008年には東洋大学において第3回の日米道教研究会議が開催され、多数の会員が参加した。その成果は、田中文雄、テリー・クリーマン編『道教と共生思想』(2009年・大河書房)にまとめられている。
(2011・1 幹事 酒井規史 追記)